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ベルギーからやってきた子ども向け自転車教室「ウィーラースクールジャパン」

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第四章:実践1〜序 本格的な競技への取り組み(中〜上級)

自転車の楽しい遊びを通じ、本格的な競技に興味を持ちだした子どもに対して、どのような指導を心がければよいのか。
ここでは、日本における低年齢層に対する自転車競技の指導環境について考える。

子どもを取り巻く練習環境

日本の自転車競技界には、少年野球や少年サッカー等のように“子ども”だけを指導している環境は残念ながら今の所ほとんど無いと言える。
それ故に、自転車競技に興味を持ち始めた子ども達は近所のクラブチームなどで大人達に混じって走りだすのが一般的になっている。
それ自体はいけない事とは思わないが、まだ発育途上の子ども達がいきなり大人達と同じスピードで走る事には弊害も生まれやすい。

子どもたちは大人達のスピードに付いていくために、すぐに重たいギアをかけ“踏み込む”だけのペダリングになりがちである。ペダリングの下支点付近で下方向に踏み込んでも力を浪費するばかりで推進力にはならない。
走行距離が伸びて行くにつれこういった力の無駄遣いは走りに大きく影響していく。
また上半身の筋力も発達していないので安定感にかけフラフラと走り、肩周りだけ、やたらと力んだフォームで走っている子ども達を多く見かける。肩周りが力むと、ハンドル操作に柔軟さが無くなりとっさの危険回避などがし辛くなる。
逆に回転力に目が行き過ぎて軽いギアを回し過ぎるあまりに“力み”が出ているケースもある。

指導者(一緒に走る大人たち)は、子どもたちの乗車フォームに“力み”が出ない頃合のスピードとギア比で走る事を心がけ、“力み”が無いフォームをシッカリと時間をかけて作り上げてから徐々にペースを上げて行くようにすることを心がけてほしい。
肩周りの“力み”がとれると頭を上げて前を向いて走る事が出来るようになる。

自転車は“自己管理”させること

最近、自転車整備が自分で出来ない選手が非常に多くなってきている。
整備技術が必要なのではなく、自分の走りを支える機材の状態を把握する能力が必要なのだ。
例えば、シフトワイヤーやブレーキワイヤーなどは使えば必ず伸びる。伸びれば、ベストなセッティングではなくなる。
回転部が硬くなっていたりガタが出ていたりするとペダルから入力された推進力をロスする事になる。
機材チェックの習慣があれば、こういった機材トラブルは事前に防ぐ事が出来るのである。

機材トラブルで本当の力を発揮できない事ほど悔しい事はない。

競技を始めるに当たって、自分の乗る自転車のブレーキやタイヤの空気圧ぐらいは子ども達自身でチェックするようにさせよう。
ブレーキの効き具合は命に関わる大切な事なので、人任せにせずに自己管理する習慣を持たせるべきである。
他にも自転車の各部ネジの緩みやガタなどが無いかにも常に気を配るようにさせる。

指導者は、子どもたちが機材チェックするサポートに回るようにする。
機材に不具合があれば、子どもたちにも何処がどのように問題があったのかを忘れず教えるようにする。

子どものレース活動

日本のレースにおいて、子どもカテゴリーはクラス分けが能力別になっておらず年齢別という事が多い。大人顔負けの機材を投入している子どもと見た目だけはロードレーサー風の自転車に乗った子どもが同じ土俵で走らされている。

これには二つ問題がある。
ロードレーサー風の自転車に乗った子ども達が“力の差”ではなく“機材の差”で負けたと感じ練習する意欲を欠いてしまう事、そして高級機材の自転車に乗った子ども達が“勝てる”のでペダリングやフォームの乱れに関心が向かない事、である。

この頃の子ども達に必要なのは、“力を出し切れたのか?”、また、“以前より成長が見られたか?”のはずであり、練習する事によって以前の自分よりも早く走れるようになる事が大切なのである。どちらの問題も“競技者”として必要な“上を目指す気持ち”に悪影響を与えてしまっているのが現状である。

機材に関して、子どもの走行レベルに対して必要な物であるのかどうかを見極めないと、伸びしろを縮めてしまう事もある事を指導者は理解すべきである。

まだこの時期は、“楽しく”走ること、自転車をドンドンと好きになっていく事が大切な時期。それと共に、自転車だけではなく様々な運動を経験しておく事も役に立つと思う。

(2011.1.23 執筆 山岸正教 競輪選手 京都 S級1班 更新 Blacky)


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