指導要領

第一章 基本的な考え方編

1-7. 未来に向けて

【スローガン】

「ひとりでも多くの子どもに、自転車に乗る楽しみを」

「豊かな人生を送るために、自転車というツールを活かす」

子どもたちにとっての「楽しい自転車」を体験する
受け皿を用意しよう

子どもたちに自転車は楽しいと感じさせる事のできる究極の形は、自由にできる遊び場だ。
ウィーラースクールジャパンでは、日本中の子どもが、自分の自転車で移動できる距離に、誰もが自由に楽しめる自転車の遊び場を作りたいと考えている。
そこには、スクールで楽しむコースや、その機材がおかれていて、子どもたちが主体となってそれらを使い自由に遊ぶ。
子どもが考え、想像力を発揮して新しいコースや遊びを考える。子どもは全身を使って遊ばなくてはならない。優れた交通社会の市民を生み出すのも、将来のオリンピック選手を生み出す、どんな可能性もきっと遊びの中にこそあるのではないか。自分の体を自由に使いこなし、周りと関わって生きる術を身につけ社会性を培っていく。
それを体得する場所こそが「遊び場」で、その遊び場が「自転車の遊び場」であれば最高ではないだろうか。

これまでウィーラースクールジャパンが作ってきたスクールの形は以下のようなものがある。

1)イベントでのスクールなど

例えばサイクルモードインターナショナルのような商業イベントや、市民まつりなどのイベントなど、不特定多数の人が自由に来訪する会場でのスクールなど。
あくまで体験型であり、イベント(お祭)としての価値を持たせる
教育の意義の周知、告知に活かす

商業イベントでは、大体1時間〜1時間半で一回という体験型スクールを行う。
2)地域密着の定点スクール

地域の子どもたちが、気兼ねなく遊びに来られる場所
年数回、定期的に実施される子どもの受け皿

美山で開催される地域スクールは年10回。約70名が登録し、通年でのべ300人が定点でのスクールを楽しむ。
3)遊び場としてのオープンスペース

大人の管理しない(もしくは最低限の管理)、子どもが自由に遊べるスペース
子どもの自発的な行動や、自立心を養わせるための子どもの世界を確保

4)社会全体で子どもを「見守る」体制整備

行政、市民、業界団体、そしてなにより自転車愛好家が中心となり、環境を早急に整備する必要がある。

5)風が吹いたら桶屋が儲かる理論を信じてみる

風が吹く〜砂が目に入る〜失明する〜三味線を買う〜需要が増える〜
猫の皮を使う〜猫が減る〜ネズミが増える〜ネズミが桶をかじる〜桶の注文が殺到〜桶屋が儲かる

これを自転車に置き換えると

子どもに自転車教える〜楽しくて乗りまくる〜いろんな事を経験する〜共存意識を持つ〜その子が大人になる〜免許を取って車に乗る〜自転車を見かけると自分の事のように優しく接する〜自転車道などの施策に賛同する〜インフラ整備や法律整備への理解が進む

「自転車が楽しい子ども」から始まる、「社会を豊かにする大人」になるまでのロードマップと将来予測

社会性をもった子どもは、おのずと社会性をもった大人になるという、至極あたりまえな考え方の浸透をはかるため、関わる大人や周囲は、常に継続性を求め、プログラムの充実やその共有、実施環境の整備などを積極的に行う。
将来を見据え、そこから目を離さない。初志貫徹、目的を振らさないように気を配る必要がある。

加賀市で2017年から始まったウィーラースクールin加賀は、地域密着のスクールとして内容の濃い成長を遂げる。

 

自転車に乗る意味を子どもたち自身が考える機会創出のため、多くの自然体験プログラムを取り入れているウィーラースクールin美山。
第一章 基本的な考え方編