1-12. 未来に向けて
【スローガン】
「ひとりでも多くの子どもに、自転車に乗る楽しみを」
「豊かな人生を送るために、自転車というツールを活かす」
子どもたちにとっての「楽しい自転車」を体験する
受け皿を用意しよう
子どもたちにとって「自転車は楽しい」と感じられる究極の形。それは、大人の管理下にある教室ではなく、自由に試行錯誤できる「遊び場」だ。 私たちウィーラースクールジャパンが描く未来図は、日本中の子どもが自転車で移動できる範囲に、誰もが自由に楽しめる「自転車の遊び場」が存在する社会である。
そこには、スクールで楽しんだようなコースや機材が置かれており、子どもたちが主体となってそれらを使い、遊び倒す。子どもは想像力を発揮して新しい遊びを創造し、全身を使って駆け回る。 自分の体を自由に使いこなし、周りと関わって生きる術を身につけ、社会性を培っていく。 優れた交通社会の市民も、将来のオリンピック選手も、すべての可能性はこの「遊び場」の中にこそあるはずだ。
そのために、わたしたちは以下の4つのフェーズで環境を整備し続ける。
1. きっかけを作る「イベントスクール」
商業施設や市民祭りなど、不特定多数が集まる場所での体験型スクール。「自転車って楽しい!」という原体験を提供し、教育の意義を周知する入り口である。。(目安:1回60〜90分)

2. 居場所となる「地域密着の定点スクール」
地域の子どもたちが定期的に帰ってこられる場所。例えば京都・美山スクールでは年10回開催し、通年でのべ300人が参加している。顔の見える関係性の中で、継続的な成長を見守る。

3. 自律を促す「オープンスペース」
大人が管理しない(もしくは最低限の管理)、子どもだけの聖域。自発的な行動と自立心を養うための、常設の遊び場だ。
4. 社会全体で「見守る」体制整備
行政、市民、業界団体、そして自転車愛好家が連携し、子どもたちが安全に遊べるハード・ソフト両面の環境を整える。
「風が吹けば桶屋が儲かる」理論を信じて
江戸の諺(ことわざ)に「風が吹けば桶屋が儲かる」というものがある。一見、無関係に思える事象が巡り巡って意外な結末をもたらす例えだが、私たちはこのロジックを、自転車教育における「未来予測図」として本気で信じている。
風が吹く(子どもに自転車の楽しさを教える)
↓
砂が舞う(子どもが夢中で乗りまくり、多くの経験をする)
↓
三味線が売れる(痛みや他者との共存意識を持ち、社会性が芽生える)
↓
桶屋が儲かる(その子が大人になり、ハンドルを握る優しいドライバーや行政官になる。結果、インフラ整備や法整備が進み、社会全体が豊かになる)
「自転車が楽しい子ども」から始まる、「社会を豊かにする大人」になるまでのロードマップと将来予測
これは、「自転車が楽しい子ども」から始まり、「社会を豊かにする大人」になるまでの壮大なロードマップである。 社会性をもった子どもは、おのずと社会性をもった大人になる。この至極あたりまえな因果関係を信じ、私たちはブレることなく、将来を見据えて「遊び場」を作り続ける。

