指導要領

第三章 実践的プログラム

3-4 みんなで走る

ウィーラースクールで最近、特に重要視しているプログラムがこの「みんなで走る」。
自転車を練習する最大の目的は公道にサイクリングに行くことである。
まだ自転車の挙動や公道での振る舞いに慣れていない子どもたちに、いかに交通社会における社会性を身に着けさせるかはこれまでの大きな課題であった。
ここ数年、これまで技術レベルの高い子どもにのみ行っていた集団走行の練習を、初心者の子どもにも行うようにしている。この練習の成果はすごく、最初は一列走行もままならなかった子どもたちが、わずか20分足らずで見事に隊列での車間距離やスピードの調整をうまく行えるようになり、走りながら隊列の数を変更できるようになる。そこまでの技術がついた子どもたちに、改めて一列走行に戻るように指示すると、見事なまでの一列走行を見せてくれる。
走りながら周りをよく見て声を出していく。これが交通社会における、社会性の具現化である。
コミュニケーションが可能になった子どもたちは、大人でも難しい技術の習得が可能になるのだ。

進行
  1. 一列で並ぶ(走行技術の高い子から前から順に並べるのが望ましい)
  2. 後方への声がけの練習
  3. 一列で走る(単純な周回コース)
  4. その後、止まって2列を作る
  5. 隣同士がペアとなり、声がけしながら横の並びのみを気をつけて走る
  6. 次に3列、4列と難易度を上げる(会場やコースに余裕があれば最大5人まで)
  7. そこまで来たら、今度は走りながら隊列数を変える(ここで大切なことは誰が前に行くかなど声を出してみんなで相談すること)
  8. 最終的に1列走行がいとも簡単にできる(その他何列でも可能になる)
  9. 最大のポイントは子どもたち全員が走りながら自分の意思や考えを声に出し周りに伝えること


みんなで走るシーンは 2:08頃から


みんなで走る

第三章 実践的プログラム