第1章:指導の基本理論
1-3.「遊び」という最強の学習装置
「楽しさ」がすべての入口
自転車乗車中の子どもたちの安全を確保するために、これまでも安全教室として、ルールの教習や安全技術習得を目的とした教習が行われることが主流だった。
ウィーラースクールが、日本に上陸して、ウィーラースクールジャパンとして始まって以降、当初はヨーロッパ的競技指向の自転車教室だったものを、日本の子どもたちにおける自転車活用意識の啓発も含め、より一般に自転車が普及するように改変を加え今の形に変化してきた。
その中で、特に重きをおいてきたのは、「技術の習得」である。
子どもたちが交通ルールを学ぶことは当然なのではあるが、なにより自転車乗車中、万が一の危険に遭遇したときに、いかにその危機を回避するかという技術力を向上させることが大切だと考えているからだ。
わたしたちは、そんな「危機回避能力」が彼らに身につくのかをひたすら考え、試行錯誤してきたと言っても過言ではない。
危機回避能力には、技術だけではなく、必要なルールやマナー、感性や感覚が必要だ。特に、危険を予知、予防する能力も求められる。そうした能力を培うには、机上だけでは身につかない。様々な状況を網羅し、経験をする必要がある。
子どもたちが積極的に様々な経験を積むにはどうすればよいか
そこには「楽しい」という感情が必要だ。「楽しい」が継続を生み、継続が技術を生み、技術が安全を生むという逆説的なアプローチが子どもにとって必要な教育環境だと考える。
わたしたちは、自転車は乗れば乗るほどうまくなる乗り物として子どもたちに伝えている。
子どもたちが普段から自転車に安全に乗れる環境や機会を与えるのも、最終的には彼らの経験値を上げることになる。
blackynakajima 2026.2.12 update

第1章:指導の基本理論