指導要領

第3章:スクール開催実務

3-4. 会場を選ぶ

【概要】

スクールを実施する物理的なフィールドの確保と、その特性の把握。

【目的】

危険を完全に排除した「無菌室」を探すのではなく、管理可能なリスクと、子どもの冒険心を引き出す「アフォーダンス(環境による行動誘導)」を持った場所を見つけ出す。

具体化の流れ

1. 必須条件の確認
  • 閉鎖性: 車両が進入しないことが絶対条件。ここが確保されて初めて、指導者は監視役から解放される。
  • 広さ: 最低でも自転車が自由に旋回できる広さ(テニスコート2面分以上)。理想は1周300m、幅5m程度の周回コースが取れる場所。
2. 路面の選定
  • アスファルト(平地): 基礎練習(直進、制動)に適している。
  • 土・草地(不整地): 転倒時の痛みが少なく、タイヤが滑る感覚(トラクション)を養うのに最適。あえて「走りにくい場所」を選ぶのも戦略である。
3. 付帯設備の確認

 トイレ、水道、日陰(休憩用)、緊急車両の動線確保。

不便を味方につける

会場に段差や坂道があるなら、それを嘆くのではなく「天然のセクション」として利用する。環境の変化こそが最良の教師である。

 

会場状況の活用方法

アスファルト・周回コース・閉鎖されたエリア

自転車教室を行うためには、それなりの広さを持った会場を用意することが必要になるが、実はこれがスクール開催にあたって一番大きな壁となることが多い。

やはり自転車教室と銘打つ訳だから、参加する子どもたちが満足行くまで自転車に乗って遊ぶことができ、且つそこそこ達成感を感じようとすればそれなりの広さが必要になってくる。
しかし、いざ探すとしても、必要なスペースが確保出来るかと言えば、なかなか難しいのが現実である。

ウィーラースクールの場合、会場の広さとして必要と考えるのは、

  1. 一周約300メートル以上、幅5メートル以上の周回コースが確保出来る場所
  2. 傾斜の無い、完全フラットなアスファルトが確保出来る場所

この2点を目指して会場を探すのが基本となる。

これまで会場としてやりやすかった場所としては、
競輪場(トラックの内側が広場として使える向日町競輪場のような場所)、陸上競技場などがある。

シマノ鈴鹿での会場設営。ここは全体的に傾斜があるため、進行方向としては下から上へのレイアウトにしてある

 

土のグラウンド、競輪場、ホール内など

その他に必要な要素:トイレ、水道、日陰など

土手や、野っ原、芝生の場所などでも可能

路面の状態が悪くても、その特性に合わせたスクールの
組み立てが可能 例)シクロクロス教室など

グラウンドの土手は格好のMTBコース

 

土の上で、ブレーキングでロックしてしまった場合の対応練習(誰が一番ながくタイヤで線を描けるか)

 

雨天の場合

幅5m、長さ10m程度の狭い軒下や部屋の中でも、工夫次第で開催可能
体育館での開催(養生の工夫)

室内での映像講義
  1. 自転車競技の映像などを見せ、その映像を見た感想などを話し合う
  2. ヨーロッパの自転車文化の例を見せ、感想などを話し合う(※)

※オランダのハウテン市のニュータウンなどに見られる車を排除したまちづくりや、デンマークの自転車道など、市民生活の中における自転車の関わりなど、幅広い興味を持たせる資料を用意しておく

メカニックの簡単な講義など
    1. 自転車のしくみ、構造を理解するため、自転車を簡単に分解する実演
    2. パンク修理や日々のメンテナンスの体験

車輪がなぜ倒れないか、実際にホイルをスピードを変えて転がせて倒れるまでの様子や時間を見たり、回転するホイルの軸を持って、傾けて力の入り具合を確認してみる。

雨天の場合、屋内でパンク修理などのメンテナンスを体験する

 

三本ローラーを使って、しっかりこがないとふらつく実演や、よそ見すると安定が悪くなる実演などを行う。
その他、パンクを実際におこし、その場で修理する実演は、子ども達の人気だ。

広さによって、できることが変わる

緊急事態、休憩などの場所は確認しておくこと

オフロードでの活動は子どもの運動スキルを上げるのに役立つ

自転車にのることだけがスクールとは限らない。

メンテナンスの知識や経験向上や、周辺知識を増やすタイミングと捉える

 

 

第3章:スクール開催実務