指導要領

第一章 基本的な考え方編

1-6. めざすべき道

(自転車を通じ)社会性を持った子どもに育てる

交通社会と子どもの関係を重視しよう

交通社会とは、子どもが大人と同列に社会に関わる最初の場所である。
子どもだからこれくらいしかできないという理屈は、社会には役に立たない。
それはまさに、大人が子どもを過小評価した子どもだましの論法である。
子どもは公道上では、すでに社会の一員である。だからこそ、大人と同等な社会性を求められるということを彼らにも理解させる必要がある。
体力的、知識的、感覚的に無理な部分があれば、そこをどうフォローするかを大人が考え、対策することが望ましい。

子どもだから危険、だからやらせないなどに見られる、「子どもだから◯◯」という考え方は、子どもたちに、様々な経験、例えば失敗する機会など、貴重な経験を奪い、その後の人生に大きな損失を与える可能性がある。

また、先回りした安全対策や指導方法なども、子どもが主体的、自律的に考える機会を奪うことになりかねず、長い目で見て社会的な損失になると考える。

自転車を活用して、感性豊かな子どもに育てよう

交通安全教育、それも自転車という狭義の考え方では、全体に広がらない。
すべては複雑な相関関係にある。
例えば基礎となる人間力を上げること。その能力を幼少期に築いておくことで、おとなになってからの「自転車」「バイク」「車」などを活用する場合の振る舞い方が向上すると考える。
そのためにも自転車という子どもにとって唯一交通社会に入っていける乗り物の教育は非常に重要で、そのプログラムは、感性豊かで想像力のある子どもを育成するものが望ましい。

子どもの笑顔を引き出すことはとても簡単。自分たちも子どもになること。(ウィーラースクール in 加賀 夏のチャレンジサイクリング ゴールシーン)
第一章 基本的な考え方編