指導要領

はじめに

2.自転車について日本の社会的状況

自転車についての教育を進めるにあたり、まずは現在、自転車がおかれている社会状況を整理し理解することが必要である。

そもそも、なぜ自転車活用の理解が進まないのか。
それは、自転車=便利で快適 という認識が社会全体に広がっていないからではなかろうか。
言わずもがな自転車は紛れもなく便利で快適である。それどころか、健康増進や自分の可能性発見、また人とのコミュニケーションツールとしてなど、日々の生活にそれ以上のものをもたらしてくれる乗りものだ。
これに関しては、実際に自転車愛好家であるサイクリストからの異論はないだろう。

日本において自転車を日常的に有効なツールとして愛用している人口は、北欧などの自転車先進国からすると少ない。サイクリングを楽しむ人が極端に少ないこの国では、自転車利用率や、台数で言えば、世界屈指であるのにもかかわらず、有益な活用という点では北欧からかなり遅れていると言わざるを得ない。

さて自転車の交通事故の問題に関してだが、ここ数年(〜2017)の交通事故全体の発生件数は、年々減少の傾向にある。とはいえその中での自転車が絡む事故は、約9万件。これについては、2005年の18万件からは半減しているものの、自転車乗車中の死亡者は全体の13%の約480人(2017年)を数える。これには、自転車が歩行者に被害を与えた死亡事故数や、事故から24時間以上経ってから死亡した数が入っていないため、実際にはもう少し多くなると考えられる。

死亡までは至らないが、重症者を含む重大事故に関していえば、さらに大きな数となる。(参考:警視庁公式発表)

ここ10年、サイクルスポーツブームの後押しにより、スポーツバイクなどでツーリングなどを楽しむ層が増えたことで、交通ルールへの意識は、以前よりは比較的高くなる傾向にあると感じる。これは各種イベント、キャンペーン等を通じて業界全体で取り組む、交通ルール遵守、またはマナー意識の向上のための啓発が少しずつ浸透してきたことに加え、サイクリスト自身が自分たちの環境を維持することが得策であると認識しはじめた傾向があることも大きい。

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